魔界に住む人ならざるもの。魔界の魔力およびマナを起源とし、魔力によって形成される肉体(実体)を持つものの総称。

魔界中にある魔力から発生するか、妖魔同士または妖魔単体による繁殖によって誕生するか、いずれかのプロセスを経て魔界へ生まれ落ちる。後者は古くは魔獣にのみ見られていたが、人界からの文化の流入によって、現代では共同体や家族のような集団を作る妖魔も増えてきている。

目がなくてもものを見ることが出来るなど、器官に依存しない感覚を持つ。ただし、それをするには相応の魔力を消費する必要があるため、人間に倣った臓器を使って省エネをしている。

つまり容姿は自由自在。人間の姿を模した状態では魔力消費が抑えられることが分かってからは、魔界でも省エネのために人間に近い姿をとって過ごす妖魔が増えている。

また、身体は人間のものをベースに、ツノや翼、尻尾だけを生やした姿をする妖魔もいる。特にツノはその妖魔が持つ魔力が集中していることが多く、心臓的な役割を果たす。自己イメージを維持しやすくするためにも、これらを生やしている。

例え人間そっくりな姿になったとしても、興奮状態になるとツノなどが飛び出たり、伸びることがある。

心臓や脳といった生命の核のようなものは存在せず、自己イメージが保てなくなる、あるいは自己イメージを保つのに必要な魔力が賄えなくなることで、消失という死を迎える。魔力さえあれば死なず、例え姿形が変わっても自己を保てていれば死なない。妖魔にとっての死は肉体の消失ではなく、自我の消失である。

妖魔は究極的には魂だけの存在であり、その魂が変質することで本来の姿(と自分が思っている姿)や考え方・価値観も連動して変わる。自己のイメージが弱いと、人間のフリをしているうちに、身も心も人間のようになってしまう妖魔もいる。

人界には、再構成された際にあちこちに『道』のようなものが出来ており、そこを通って人界へ行くことが可能。迷い込んで人界に来てしまうこともある。もちろん世界列車を使って人界へ行くことも可能。