魔女と取引し、代償として自身の眼球を差し出すことで、願いを叶えるのに役立つ特殊な効果を持つ義眼を手に入れることができる。
それは多くの人のためになるようなものではなく、個人の野望を叶えるために無辜の人々の犠牲を強いるものがほとんどであり、禍眼(まがん)と呼ばれるようになった。
式具であるため、能力を発動する条件があり、多くはその禍眼の視界に入る、目が合うといったもの。そのため、義眼という名目であるものの視力が存在する禍眼が多い。つまり、眼球を引き換えにしても視力を失うことはほとんどない。
製作者であるヒトミは単純に人間の眼球を集めることと、人間が欲望に振り回されるところを見たいだけなので、代償が無に等しくなっている。
禍眼が起こす現象は魔力由来のものなので、魔力の干渉を防ぐことが出来れば禍眼の能力も無効になる。魔術師は魔力阻害の魔術【途絶】を使えるため、禍眼が効くことはほぼない。
シュウはリヒロから【途絶】魔術が込められた眼鏡やお守りを渡されており、身に付けている間は禍眼が効かない。また、メイカは禍眼を収容する都合で、ヒトミから禍眼による干渉を無効化する機能が搭載されている。
禍眼は完全にオーダーメイドであり、適合者はひとつの禍眼につき一人。ヒトミの弟子であるリヒロのみ改造が許されており、持ち主を変えることが出来る。能力面については、リヒロは極力ヒトミが作った禍眼のままにしたいため、相手の願いに最適化するよう能力を絞る程度にしている。リヒロは持ち主を失った禍眼の力を求める者へ禍眼を与えるかたちで、ヒトミのように禍眼を広め続けている。